■ 三者三様
吉岡(司会):そもそも、マーチンさんとスクープ(SOS)とは、どれくらいになるんですか。どのあたりから、今回のこのプロジェクトにつながったのでしょうか。
鈴木:スクープ(SOS)とはもう何年だ? 6、7年だよね?
TAKE:はい。
鈴木:ゴスペラーズと一緒にステージを楽しんでみたり、スクープ(SOS)ともジョイントしてみたり、個々とはやってるんだけど、何か集大成でありながらも、そこからまた何かが広がるような、しかもブラック・ミュージックを凄く愛しているミュージシャン達を巻き込んだ形で何かやるっていう意味では、ゴスペラッツはとてもいい突破口になったかなって思う。例えばゴスペラーズにしてもそうだけど、一つの個々の集合体じゃない?そこでイヴェントをやるってことになると、誰かこう裏方さん的な仕事をしてもらわないと困るわけだし。そんな中で、ちょうどスクープ(SOS)とおれ自身のライヴのスタッフが一緒だったんだよ。俺の想いや村上のアイデアそしてTAKEの気持ちを確認した上で、動いてもらったんだ。ちょうどゴスペラッツのレコーディングの最中だったから、並行して動いてくれたスタッフたちに感謝している。
TAKE:マーチンさんっていう日本のソウル・ミュージックの歴史を作ってきた人がいて、それを世代を飛び越えて全うに受け継ぎながらも、新しい事をやってる村上リーダーとゴスペラーズがいて、で、僕たちも自分たちの立場・スタンスでブラック・ミュージックやってるっていう太いものがある。だから(今回のように)一緒にやっても、普通だったら似たようなジャンルをやるバンドだと変な話、妙にかぶったりとかぶつかりあったりだとかあるけど、それぞれが自分たちのスタイルの「スタイル・マスター」(自分たちのスタイルを守る達人)だから、凄く楽しい。ゴスペラッツこんな感じだ、ゴスペラーズこんな感じだ、じゃあ俺達の立ち位置はどんな感じだ、みたいなのを考えるだけでも凄い楽しい。
吉岡(司会):みんな三者三様ですよね、これらのグループは。
■ 初体験
村上:俺はやっぱり二つのグループを同時にやるのは初めての経験で・・・。(笑)
吉岡:二つのグループをまたいでいると。
村上:だって、ゴスペラッツというグループは結構なかなか凄い経験で、リハーサルからどういう風に味わっていけるのかなって。そういう意味では自分自身をドキュメントしていこうと思ってて・・・。
吉岡:やっぱり、ゴスペラッツのリハーサルの時も(顔を)塗ってるの?
一同:(笑)
村上:あれ結構痒いんだよ。(笑)
一同:(笑)
鈴木:何かただ経験できるってことはいいことなの。俺はちょうど1996年にラッツ&スターを再集結したとき、オープニング・アクトでソロ・シンガー鈴木雅之としてで出たんだ。
吉岡:マーチンさんがオープニング・アクト。
TAKE:あれは1時間越えてましたよね。
鈴木:うん。
村上:オープニング・アクトなのに1時間越えちゃったんだ。(笑)
鈴木:俺もソロのスタンスとグループのスタンスを、両方味わえたっていう意味ではいい経験になったし、面白かったからね。そういう意味じゃ村上にとってみれば、ゴスペラーズとゴスペラッツってのは、なんか96年の俺の経験とダブルところがあるんだよね。
吉岡:なるほど。やはり、一人二役?
鈴木:そこはね、違った楽しみ方がある。グループとソロは全然別物。俺という人間は一緒なんだけど、やっぱり(出し物は)別物でしょ。ダブルキャスト的な、それがまたおもしろい。
吉岡:その時一人二役で得たものは今回村上さんに継承されるんでしょうか?
鈴木:うん。ただ、俺の場合は個人とグループだから、グループの良い部分とソロの良い部分ていうのを再確認する場所だったりしたわけだけどもね。
村上:僕の場合ゴスペラーズもグループ、ゴスペラッツもグループって同じなんだけどね。(笑)
一同:(笑)
村上:ぶっちゃけ何かかぶるよね。(笑)
吉岡:ゴスペラーズは塗らないでやるでしょ。
村上:でもそれ最大の禁じ手ですよね、ゴスペラーズ塗って出てくる。(笑)
一同:(笑)
村上:(観客は)何が起きたかって、ねぇ(笑)腰ぬかすよ。
TAKE:逆に塗ることで割り切れたりするんじゃない?
村上:そうそうそう、何て言うのかやっぱりラッツのスタイルっていうのは本当にぴしっとした型があるものだから、どこまでそれに近づけるか、そういう心持ちでいられるっていうのは、すごいシンプルには出来るんですよ。心の問題としてすごくシンプルには出来る。一方、ゴスペラーズはスタイルを持たないみたいな事を自分たちでも言ってきて、音楽のジャンル的な言葉でスタイルを言ったとしても、考え方としても、間口はかなり広いしいろいろやるし、そういう意味である種カメレオンなんですよね。だからこういうイヴェントの時には、じゃあゴスペラーズは何が一番おいしいのかみたいなことを、メンバーで考えなきゃいけないわけだから、そこの大変さと楽しさっていうのはなかなかね・・・。ふたつグループやるっていうのは今まで当然経験したことないことだから、より「ゴスペラーズって何?」っていう自分が、今回のイヴェントのステージングなどを作っていくことのヒントに間違いなくなると思うんですよ。この3日間のコンサートを通して、そこがすごく楽しい。そういう意味では本番もそうだけど、やっぱりリハーサルだよね。
吉岡:なるほど。 |